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火力発電の×と〇を解き明かす【シン・Dr.フドー研究所】Vol.5
電験三種の論説問題にズームイン
2024.12.02
Vol.5
火力発電①
電験の学習が、どのように現場実務に結びつくかを研究する「Dr.フドー研究所」。設立から3年、電験三種の問題を徹底的に分析し、現場実務と照合した結果、論説の「正誤問題」と「空白問題」に攻略の糸口をみつけることができた。電験三種を制し、主任技術者を志す受験者に狂喜乱舞のテーマを究明する。それが「シン・Dr.フドー研究所」だ。
正誤問題の「×の理由」とは? そして、空白問題に潜む「〇の理由」とは?
正解の理由に迫ることで知識を確実にストックし、現場実務とのリンクを盤石にすることができる。さあ、いますぐ研究所のドアをノックしようじゃないか!
熱サイクル(1)
問題 図に示す汽力発電所の熱サイクルにおいて、各過程に関する記述として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)A→B:給水が給水ポンプによりボイラ圧力まで高められる断熱膨張の過程である。
(2)B→C:給水がボイラ内で熱を受けて飽和蒸気になる等圧受熱の過程である。
(3)C→D:飽和蒸気がボイラの過熱器により過熱蒸気になる等圧受熱の過程である。
(4)D→E:過熱蒸気が蒸気タービンに入り復水器内の圧力まで断熱膨張する過程である。
(5)E→A:蒸気が復水器内で海水などにより冷やされ凝縮した水となる等圧放熱の過程である。
2014(平成26)年度「電力」問2
答(1)
×の理由
「A→B」の過程は、給水が給水ポンプによりボイラ圧力まで高められる断熱圧縮の過程で、エントロピーの変化はない(図1)。
上記より、誤っている選択肢は(1)と判断できる。
熱サイクル(2)
問題 図は汽力発電所の熱サイクルを示している。図の各過程に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)A→Bは、等積変化で給水の断熱圧縮の過程を示す。
(2)B→Cは、ボイラ内で加熱される過程を示し、飽和蒸気が過熱器でさらに過熱される過程も含む。
(3)C→Dは、タービン内で熱エネルギーが機械エネルギーに変換される断熱圧縮の過程を示す。
(4)D→Aは、復水器内で蒸気が凝縮されて水になる等圧変化の過程を示す。
(5)A→B→C→D→Aの熱サイクルをランキンサイクルという。
2002(平成14)年度「電力」問2
答(3)
×の理由
「C→D」は断熱膨張過程で、タービン内で熱エネルギーが機械エネルギーに変換される。Cに比べてDは圧力が下がり、体積が増加しているので、膨張していることがわかる。
上記より、誤っている選択肢は(3)と判断できる。
熱サイクル(3)
問題 図は、汽力発電所の基本的な熱サイクルの過程を、体積V、圧力Pの関係で示したPV線図である。記述中の空白箇所(ア)~(オ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1)(ア)ランキンサイクル (イ)断熱圧縮 (ウ)等圧受熱 (エ)断熱膨張 (オ)等圧放熱
(2)(ア)ブレイトンサイクル (イ)断熱膨張 (ウ)等圧放熱 (エ)断熱圧縮 (オ)等圧放熱
(3)(ア)ランキンサイクル (イ)等圧受熱 (ウ)断熱膨張 (エ)等圧放熱 (オ)断熱圧縮
(4)(ア)ランキンサイクル (イ)断熱圧縮 (ウ)等圧放熱 (エ)断熱膨張 (オ)等圧受熱
(5)(ア)ブレイトンサイクル (イ)断熱圧縮 (ウ)等圧受熱 (エ)断熱膨張 (オ)等圧放熱