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非常用自家発電設備の点検マニュアル
「もしも」に備えて……
2023.07.20
自然災害が多発する「いま」こそ徹底チェック
非常用自家発電設備は、大規模停電などによって電力が供給できない場合、予備電源として防災設備や保安設備へ電力を供給。必要最小限の電力消費で復旧までつなぎ、BCPの観点では欠かせないシステムとなっている。
特に、ゲリラ豪雨による河川の氾濫、台風による電線の倒壊など、近年は自然災害の猛威により送配電網にダメージを受けることで稼働回数が急増。緊急時ということで、トラブルのない「ノンストレスの始動」が求められる。そのために定期的な点検、そして、非常時に備えた始動手順の把握が必要になるのだ。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、非常用自家発電設備の不動作、停止が数多く発生した。津波による被害は別にして、燃料トラブル(劣化など)やメンテナンス不良による異常停止が起こった台数も少なくなかったといわれている。
そういったことが背景となり、さらに非常用自家発電設備の重要度が高まったのはいうまでもない。2018年6月には消防法の改正で、1年の1度の総合点検において、運転性能の確認(負荷運転か内部点検等)が義務づけられた。それ以外にも停電の長期化に備えて燃料の備蓄量を増やしたり、浸水防止のため2階以上のフロアに設置したり、需要家単位でも安定したBCPに取り組んでいる。
しかし、自然災害は簡単に予想できるものではない。急にやってきて猛威を振るい、インフラシステムを破壊していく。そんな状況下、迅速に予備電源を確保するためには、非常用自家発電設備の始動方法を理解しておかなければならない。
そこで、このコンテンツだ。非常用自家発電設備(ディーゼルエンジン発電機)の始動手順を動画で公開。始動手順から運転前の点検項目はもちろん、異常のサインを見落とさないためのチェックポイントまで紹介する。
「非常用自家発電設備の点検マニュアル」
(取材協力/一般財団法人 関東電気保安協会、撮影/宮澤 豊)