令和6年度 技術士第一次試験<基礎・適性科目>解答・解説PDFデータ販売中!
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電験取得のための第一歩
2024.01.26
先生 前回は複雑な並列回路の合成抵抗を取り上げました。今回は合成抵抗を求める回路でも、知っておくと便利なパターンに取り組んでみよう。分数計算の力もつくし、合成抵抗の求め方まで覚えられるから一石二鳥だ。生徒 えっ、そろそろカンベンしてほしいな……。先生 まあまあ。前回は少し難易度の高い計算も多かったから、復習問題を用意したよ。まずは、これを解くことから始めようか。生徒 は~い。
練習問題 次の回路の合成抵抗Rと電流Iを求めなさい。なお、電流Iは次の式を使って求めること。 電流 = 電圧 抵抗
答 (1)抵抗R1と R2との合成抵抗R4を求める。 R 4 = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 2 × 4 2 + 4 = 8 6 = 4 3 すると、回路図は図1(a)のようになる。ここで、抵抗R4とR3の合成抵抗Rは、 R = R 4 × R 3 R 4 + R 3 = 4 3 × 6 4 3 + 6 = 8 4 3 + 18 3 = 8 22 3 = 8 × 3 22 = 12 11 [ Ω ] よって、回路図は図1(b)のようになる。 ここから、電流Iは問題文より、 I = 32 12 11 = 32 ÷ 12 11 = 32 × 11 12 = 88 3 [ A ] と求めることができる。
(2)抵抗R1とR2との合成抵抗R4を求める。 R 4 = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 3 × 5 3 + 5 = 15 8 [ Ω ] すると、回路図は図2(a)のようになる。ここで、抵抗R4とR3の合成抵抗Rは、 R = R 4 × R 3 R 4 + R 3 = 15 8 × 7 15 8 + 7 = 105 8 15 8 + 56 8 = 105 8 71 8 = 105 8 ÷ 71 8 = 105 8 × 8 71 = 105 71 [ Ω ] よって、回路図は図2(b)のようになる。 ここから、電流Iは問題文より、 I = 60 105 71 = 60 ÷ 105 71 = 60 × 71 105 = 4 × 71 7 = 284 7 [ A ] と求めることができる。
(3)抵抗R1と R2との合成抵抗R4を求める。 R 4 = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 8 × 2 8 + 2 = 16 10 = 8 5 [ Ω ] すると、回路図は図3(a)のようになる。ここで、抵抗R4とR3の合成抵抗Rは、 R = R 4 × R 3 R 4 + R 3 = 8 5 × 7 8 5 + 7 = 56 5 8 5 + 35 5 = 56 5 43 5 = 56 5 ÷ 43 5 = 56 5 × 5 43 = 56 43 [ Ω ] よって、回路図は図3(b)のようになる。 ここから、電流Iは問題文より、 I = 160 56 43 = 160 ÷ 56 43 = 160 × 43 56 = 20 × 43 7 = 860 7 [ A ] と求めることができる。
生徒 ふぅ~、何とかできました。先生 よし! フル回転している状態のまま、次の練習問題にトライしてみよう。生徒 ……。
練習問題次の回路図の端子間合成抵抗Rを求めなさい。
答 それぞれ「和分の積」を使って端子間合成抵抗Rを求める。 (1) R = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 7 × 7 7 + 7 = 49 14 = 7 2 [ Ω ] (2) R = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 3 × 3 3 + 3 = 9 6 = 3 2 [ Ω ] (3) R = R 1 × R 2 R 1 + R 2 = 9 × 9 9 + 9 = 81 18 = 9 2 [ Ω ]
生徒 よし、できた! いままで抵抗が3つの並列回路だったから、抵抗が2つの場合はやりやすかった。この問題は抵抗R1と R2の値も同じだから約分も簡単だったし……。 先生 うん、全問正解だよ。 生徒 なんで、いまになって取り組みやすい問題を? 先生 実はね、この問題は暗算で解答できるんだ。 生徒 えっ!? 本当ですか? 先生 合成抵抗Rの値と、それぞれの回路の抵抗R1と R2の値に注目してみてよ。 生徒 う~ん、抵抗R1と R2の値が同じで…… あっ、合成抵抗Rが抵抗R1とR2の 1 2 になっている! 先生 そう、そのとおり。抵抗値が同じものを2つ並列に接続した場合、その合成抵抗Rは抵抗R1(=R2)の 1 2 になるんだ。これなら計算しなくても暗算で解けるでしょう。
生徒 以前、先生に「実際に出題される問題は、抵抗が3つとか4つとか接続されている回路」って教わったけど、このパターンで抵抗が3つある場合はどうなるんですか?先生 いいところに疑問を持ったね。試しに次の問題をやってみよう。
答 黒板にあるように、抵抗R1と R2の合成抵抗 R 4 = 7 2 [ Ω ] となる。ここから、抵抗抵抗R4と R3の合成抵抗Rは、 R = R 3 × R 4 R 3 + R 4 = 7 × 7 2 7 + 7 2 = 49 2 14 2 + 7 2 = 49 2 21 2 = 49 2 ÷ 21 2 = 49 2 × 2 21 = 7 3 [ Ω ] と求めることができる。 生徒 あっ! 先生、3つの場合の合成抵抗Rは抵抗R1(=R2=R3)の 1 3 になる!! 先生 そうなんだ。抵抗の値が等しい場合、並列接続の合成抵抗は「 抵抗値 並列接続した抵抗の数 」になるんだよ。これを覚えておけば、抵抗が3つでも4つでも暗算で求めることができるね。さて、今日はここまでにしようか。 生徒 はい、ありがとうございました!
(講師/村山 慎一)
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第三種電気主任技術者試験
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