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キャリアアップ・ナビゲーターが展開する「It’s Show Time!」【電気の花道10】
資格・de・ダダダ
2025.11.12
Episode 10「三重県立伊勢工業高等学校」
「花の命は短くて」で始まる詩と同様に、3年間の高校生活はあっという間に終わってしまう。その限られた時間で輝くために、だれもが何かに夢中になっている。部活もそう、友だちとのアフタースクールもそう、バイトもそう、もちろん、恋愛だって……。多感な10代後半、みんな、青春を謳歌している。
しかし、この高校3年間は助走であって、決してピークではない。さらに輝きを放つ瞬間が、未来には星の数ほど存在しているのだ。
20代、30代と歳を重ねても輝き続けるためには、では、どうすればいいか?
それは、スクールライフに「資格」というエッセンスを追加すること。3年間を「ピークに向かうための準備期間」と考えるだけでいい。
この連載は、長年にわたって名古屋工学院専門学校で教鞭を執ってきた筆者が2018年7月から行っている「キャリア教育支援」で感じた喜怒哀楽を、そこはかとなく書き連ねた青春の応援歌である。
今回の舞台は三重県立伊勢工業高等学校。さて、早速、キャリアの種をまいていくことにしよう……。
今回は三重県立伊勢工業高等学校を紹介します。
「伊勢」というと、何を思い浮かべますか? おそらく伊勢神宮でしょう。三重県民は親しみを込めて「お伊勢さん」と呼んでいます。
この「お伊勢さん」をイメージするとき、大半が「内宮」だと思いますが、天照大神を祭る「内宮」をはじめ、豊受大神を祭る「外宮」など、125の社から成り立っています。
そんな伊勢神宮、まずは「外宮」を参拝し、次に「内宮」を参拝するのが正式な順序になります。
さて、本題です。今回の伊勢工業高校は「外宮」の近くにあります。創立は1896年、明治29年です! もちろん、このときは伊勢工業高校ではなく、大湊工業補習学校と呼ばれていたようです。
当時の設置学科は木工科、金工科の2学科で、海が近いので造船技術者を育成していたのでしょうか。それとも、お伊勢さん関係でしょうか。そこから造船科、建築科、そして、時代の流れとともに電気科や機械科を設置してきました。以前にも伝えましたが、実業高校の歴史をみると、その地域の特性がわかって興味深いです。
今回の「キャリア教育支援」は学科長の東山先生からの強い要望があり、企業講演はNTTアノードエナジー株式会社の今井次長にお願いしました。
実は、今年の5月に東海地区電気教育研究会(東海4県の電気、電子などの学科を持つ高校の先生たちが研究、連携などを目的とした研究会)を本校で実施したとき、今井次長に講演をお願いしました。東日本大震災のときにNTTアノードエナジー(当時はNTTファシリティーズ)が、どのような対応をしたのかという内容で、自分たちの存在意義、矜持に対するものでした。
私も初めて聴いたときは心が震えるくらい感動しました。実は、この講演を東山先生も聴いていて、「ぜひ、本校の生徒たちにも聞かせたい」ということで、今回の話が実現しました。あとから知ったことですが、これから就職を考える生徒の心構えだけでなく、東南海地震が発生したときの備えという意味もあったようです。
今井次長は非常に話し上手で、しっかりと生徒たちの心に「働くということは、どういうことなのか」とともに「大規模災害の備え」が届いたと思います。
そして、私はというと、講演が終了したときに少し驚くことがありました。3名の生徒がダッシュで駆け寄ってきたのです。
『電験三種を取るためには何が一番大事ですか?』
開口一番、勢いよく質問をぶつけてきました。話を聞くと、すでに電験にチャレンジしているとのことです。
三重県には電験三種で日本一の合格者を輩出している松阪工業高校があります。公立なので、当然、松阪工業高校の先生が各学校に異動していきます。これにより、国家試験にチャレンジする土壌ができあがっていくのです。
伊勢工業高校も松阪工業高校と同じニオイを感じました。県内の工業高校の資格取得への意識が高いことで、私の「キャリア教育支援」も一気に広がったという経緯があります。
最後に、余談です。伊勢といえば「お伊勢さん」のほかに、東海地方の住民なら絶対に聞いたことがあるCMソングがあります。
「えぇじゃないか、えぇじゃないか、えぇじゃないか、伊勢の名物・赤福餅はえぇじゃないか」
思わず口ずさんでしまう人もいるでしょう。そう「赤福」です。一般には「赤福餅」が有名なんですが、季節限定で夏は「赤福氷」、冬は「赤福ぜんざい」というものがあるんです。ご存じでした?
「赤福」自体は名古屋駅でも購入できます。しかし、この季節限定の「赤福氷」や「赤福ぜんざい」は食べられるところも限定されています。伊勢に行くことがあったら、ぜひ、食してください。
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プロフィール
石原 昭(いしはら・あきら)
1965年生まれ。1990年4月から名古屋工学院専門学校に勤務。夜間部電気工学科のクラス担任を経て、1993年4月から昼間部電気工学科のクラス担任を務める。管理職となる2015年まで22年、ひたすら電験三種の指導を行い、クラス担任として預かった約300名の学生を電験三種に合格させる。現在はテクノロジー学部の運営とともに工業高校生に対して「キャリア教育支援」を展開している。「電験合格請負人」「電験教育の伝道師」の異名で東海地区の電気業界で活躍中。
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